起業に挑戦し、失敗した大学時代

起業に挑戦し、失敗した大学時代

こんにちは、Ryoです。

このブログを書くようになってから、自分の人生を振り返ることが多くなりました。

自分は何をしてきたのか、これからどうしていきたいのか。

仕事から離れ、ゆっくりと自分を見つめ直す時間を与えてくれる留学は人生経験としても大変貴重だと思います。

そんな僕ですが、最近自分には起業家という側面があるのではないかと思うようになりました。

は、起業家?

お前弁護士だろ、調子乗んなよ。

色々な人から2秒で突っ込まれそうな気がしますが、皆さんが想像するような成功した起業家ではありません。

人が興味を持たないことになぜだか興味を持ち、売れないもの、興味を持たれないものを作っては、失敗する。

そういう残念なタイプの起業家です。

金になりそうな匂いを嗅ぎつける嗅覚は持ち合わせていません。

大学3年生で予備試験に合格した後、舞い上がった僕は大学の友人とアプリ作りに挑戦しました。

これは、プロダクトを完成させることすらなく頓挫しました。

大学4年生で司法試験に合格した後、時間があった僕はひたすら司法試験予備校の講師をしていました。

講座を一から作ったり、ブログを立ち上げて集客したりと、これはこれで楽しい経験でした。

留学してからも、留学する人を増やしたいという思いで、こうしてブログを書いています

留学準備をしていた当時、LLMのことをいろいろ知りたいと思いましたが、ブログ等で情報発信している人はほとんどいませんでした。

出願結果を出している人はちらほらいましたが、僕が知りたかったのはその先のこと、LLMではどんな授業が行われ、どのくらい勉強が大変なのか。

実際の生活の様子を知りたかったのです。

そんなことを伝えるメリットもなく、また時間的な余裕もない人がほとんどなのでしょう。

LLMの留学情報を発信するものはほとんどありませんでした。

そこにビジネスチャンスを見出したかどうかはともかく、僕はこうしてブログを書いています。

何かいいネタはないかと考えながら生活する毎日です

人がやらないことを地道に続けられる。

ポジティブに考えれば、そこには起業家魂があるのではないかと思ったわけです。

起業家魂があったとしてもそれで生活していけるかはまた別の話なので、起業家という道を歩みたいと思っているわけではありません。

今のところ、「(読まれないブログを地道に書き続けるのは)すごいね」といってくれるのは妻くらいのものです。

皆さんが想像する起業家というのは、イーロン・マスクやマーク・ザッカーバーグ、ジェフ・ベゾスといった華々しい成功を収めた人たちでしょう。

それが普通だと思いますし、彼らに比べたら僕の起業家魂など鼻くそみたいなものです。

起業とは無縁なロースクールでさえも、彼らのような起業家の名前が頻繁に出てきます。

起業家大国アメリカ、誰もが少なからず彼らのように夢を掴みたいと思っています。

そんな僕も、最初に起業に挑戦してみようと思ったのは、Facebookの設立を描いた映画である「ソーシャル・ネットワーク」に刺激を受けたからでした。

今回は、その頃を振り返ってみたいと思います。

大学入学後、司法試験合格を目指す

大学3年生の秋、僕は司法試験予備試験に合格しました。

大学1年生から司法試験の勉強を始め、2度目の受験で最終合格することができました。

これで、大学在学中に司法試験合格という目標が達成できそうだ。

地道な努力が実を結んだことで自分は舞い上がりました。

プロフィールにも書いていますが、僕は高校3年間で大きな挫折を味わいました。

目標としていたインターハイには行けず、現役の東大受験にも失敗。

親に頼み込んで浪人を志願し、河合塾の浪人寮にぶち込まれ、猛勉強の末なんとか東大に入ることができました。

東大に入ったはいいものの、その後の目標がなかったので、とりあえず法学部に入ったなら弁護士を目指そうということになりました。

昔は官僚を目指していたのですが、弁護士の方が儲かりそうだということで弁護士を目指すことにしました。

どうせやるなら誰もやっていないことをしよう。

当時は大学在学中に司法試験に合格する人はほとんどいませんでしたので、1年生から勉強を始めることにしました。

在学中に司法試験に合格するためには予備試験と司法試験の2つの試験に合格する必要がありますが、1年生から勉強すれば2年生、3年生、4年生の3回試験を受けることができます。

1回失敗できるわけだし、なんとかなるだろう。

最悪ロースクールにいくという選択肢もあるし。

そんな軽いノリで勉強を始めました。

いつの間にか起業を志すことに

ところが、弁護士を目指していた僕の人生は、いつの間にか起業という寄り道をすることになります。

大学2年生で受けた初めての予備試験は悲惨な成績で終わりましたが、そこから1年勉強し、3年生で予備試験に合格することができました。

400人いる東大法学部生の中でも10人ほどしか合格した人はおらず、当時はかなりすごいことでした。

それで僕は舞い上がってしまったわけです。

高校時代の挫折で自信をなくしていた僕にとって、予備試験合格は初めての成功体験でした。

予備試験に合格するくらいだから、もしかして自分は頭がいいのではないか?

恥ずかしいことですが、当時の若い僕はそのように勘違いしてしまったわけです。

当時はFacebook、TwitterやInstagramといったSNSが流行り始め、ネットの力を活用して成功した起業家が多く現れていた時代でした。

イーロン・マスクやマーク・ザッカーバーグといった人たちを当然僕も知っていましたが、彼らは雲のような存在だと思っていました。

「ソーシャル・ネットワーク」を見てマーク・ザッカーバーグかっこいい!と思いましたが、自分は彼のような天才ではないしと諦めていました。

ところが、予備試験に合格して勘違いした僕は、もしかしたら僕も挑戦すればいけるのでは?と考えるようになりました。

予備試験の合格率は約4%、その低い合格率は当時の新聞の見出しにもなるくらいでした。

インスタグラムのようなアプリを作ろう

成功した起業も最初は小さなところから始めるわけですが、こういう勘違いした輩はいきなりでかいことを考えます

インスタグラムのように写真メインで、いろんな場所に出会えるアプリを作ろう。

インスタグラム×ティンダーのようなアプリで、いろんな場所の写真がランダムにアプリ上に現れ、スワイプして自分の知らない素敵な場所を見つけようというのがアプリのアイデアでした。

有名な観光地だけでなく、地元の人しか知らないとっておきの場所が世界にはいろいろある。

それらを発掘し、ランダム性を利用して色々な人に届ける。

これは地方活性化にもつながるはずだ。

陸上部の友人と意気投合し、アプリの開発に挑むことになりました。

通常ならプログラミングが得意な人を探してきてチームメンバーに加えるところですが、なんでもやってみたかった僕たちはアプリ作りから自分たちでチャレンジすることにしました。

成功した起業家はだいたいプログラマーでしたので、自分たちもプログラミングをやってみたいと思ったわけです。

プログラマーの協力を得るも、計画は頓挫

パワーポイントでアプリ画面のモックを作成し、これを作るためにはどのような技術が必要か、まずはプログラミングの本を買い漁り、それから人にも相談しまくりました。

色々な人に当たった結果、親族のつてで横浜にあるシステム会社の社長に繋げてもらうことができました。

その会社には優秀なプログラマーが多く在籍しており、彼らがプログラミングを教えてくれることになりました。

強力な味方を得たにも関わらず、このプロジェクトが形になることはありませんでした。

自分の実力を過信し、万能感に溢れていた僕は何でもかんでも自分で進めようとしました。

独学でプログラミング、ひいてはアプリ開発までたどり着けると思っていました。

一人で書籍を読み漁り、HTML、CSS、PHP、SQL、JavaScript、Swiftといったプログラミング言語を一通り学習しました。

おかげで概念は理解できるようになりましたが、フロントエンドからサーバーサイドまで素人が作り上げるのは無理があります。

進めていると細かいところで躓くもので、なかなか形になりませんでした。

そういう時のためにプログラマーの方たちがサポートしてくれるわけですが、当時の僕は彼らのいうことを素直に聞けませんでした。

「市販されている書籍を読んで勉強すれば、素人でもアプリ作れますよね?」

生意気な若者の発言が、彼らの琴線に触れたのでしょう。

その一言は、プログラミングが日の目を浴びる前から地道な努力を重ね、システム開発で食べていけるようになった彼らのプライドを傷つけるには十分なものでした。

思うようにプロダクト開発ができないことに苛立った僕らは、次第にプロジェクトに対するやる気を失っていきました。

プログラマーの人たちは丁寧にプログラミングを教えてくれましたが、情熱を失った僕たちは次第に彼らと疎遠になっていきました。

ほとんど勉強することもなかったのですが、司法試験の受験を控えていることも僕にとっては気がかりでした。

プロダクト名を決め、投資家へプレゼンをしようと準備を進めていましたが、プロダクトの開発が進まない状況では説明しようがありません。

結局、プロダクトの開発は終了することになりました。

後悔だけが残った

予備試験合格後、法律事務所の説明会に参加し、その中で印象に残った法律事務所にコンタクトを取り、その事務所でアルバイトをさせてもらっていました。

3ヶ月ほど続けたところで、起業に集中したいからという理由でアルバイトを辞めることになりました。

せっかく雇っていただいたのに途中で辞めることになり、その事務所にも大変申し訳ないことをしました。

その後は、司法試験予備校の講師業をやったり、旅行をしたりしていたこともあり、起業の道を再開することはありませんでした。

今思えば、もう少し頑張っていれば、僕の人生は変わっていたのではないかと思います。

少しでもプロダクトを作り、投資家へのプレゼンを1回でも行っていれば、そのプロダクトは失敗したとしても起業家の道を歩んでいたかもしれません。

あるいは、簡単なWebサービスでも作っていれば、プログラミングにもっと興味を持って別の道を歩んでいたかもしれません。

当時の僕はとにかく大きなことをやりたいと思っていたので、プログラミングをじっくり学んだり、サービスに興味を持ってくれる見込み客を集めていくといった地道な活動をすることに思い至りませんでした。

今でこそわかりますが、そういった地道な活動を継続できることが成功する起業家への第一歩です。

中途半端にやるべきではなく、やるなら本気でやるべきだったというのが僕の後悔です。

プログラミングを学んだ日々

その後、起業の道に進むことはありませんでしたが、プログラミングは興味を持って勉強していました。

大学を卒業して司法修習に進むまでは、LISPというプログラミング言語をひたすらに勉強していました。

MITの教授が書いた大学院用のテキストを買い、プログラミング言語の深い部分を理解しようとしました。

弁護士なので留学するならLLM以外道はありませんでしたが、もしどこの学科にも進めるなら、僕が最も行きたいのはカーネギーメロン大学の計算機科学科です。

ここはコンピューターサイエンスでは世界一の学部です。

日本人で初めて博士号を取得した苫米地英人氏、慶応義塾大学名誉教授の安西祐一郎氏などを輩出した大学です。

安西先生の翻訳した『心の社会』は何度も読みましたし、先生の書いた『LISPで学ぶ認知心理学』も買って持っています。

司法修習時代は検察署で暇な時間にLISPの本を読んでいました。

その後はPHPを使って、e-Gov法令検索のAPIを叩いて調べたい法律の条文を検索してくれるLINE botを作りました。

また、JavaScriptをサーバーサイドで扱えるNode.jsを使って金融庁の報道発表の見出し一覧を即座に取得するプログラムを作ったりもしました。

懐かしいですね。

結局サービスとして公開できるほどのものを作り上げることはなかったのでそれまでですが、ある程度プログラミングの知識は身についたのかと思っています。

プログラミングが好きな人がいたら語り合いたいですし、教えてくれる人がいたらまた一から学びたいなと思っています。

終わりに

そんなこんなで、僕が起業に失敗した時のエピソードを語ってきました。

今は社会経験も積み、自分の実力のなさもわかっているつもりですので、大きなことをやりたいぜー!とは思っていません。

こんなふうに細々とブログを書く、それが今の自分には合っているのだろうと思います。

大きなものを作り上げるより、たった一人でもいいから誰かの役に立ちたい。

そんな思いでこのブログを書いています。

プログラミングや起業は全く関係ない留学ブログですが、僕の記事を読んだ誰かが留学に行きたいと思ってくれる、そんなブログを作っていきたいと思います。

追伸

最後に完全な余談ですが、実は私よりも私の妻の方が起業経験があります

高校の頃は、eBayで日本の製品を海外に輸出していたそうです。

何を売っていたのかと聞くと、「とにかく売れるものを売っていた」とのこと。

海外に輸出する関係上、軽くて単価が高いものを良かったそうで、高校に一人パソコンを持ち込み、皆に怪しまれながら男性用育毛剤を売っていたそうです。

大学に入ってからは、民泊に目をつけ、京都の物件を借り上げ外国人観光客に貸し出していました。

当時は大学のある京都、実家がある愛知、アルバイト先の東京の3拠点生活をしていたそうですが、旅費は全て民泊事業で稼いだとのこと。

民泊の規制が厳しくなったため、大学卒業とともにそのビジネスは手仕舞ったそうです。

こいつは一体何者?と誰もが思うことでしょうが、妻の馴れ初めは別のところで書こうと思います。

プロフィール

Ryo

Ryo

こんにちは、Ryoといいます。 このブログは留学記です。 このブログのテーマは、『日本にいたらできないようなチャレンジをする』こと。 留学で経験したこと、考えたこと、感じたことをレポートします。 このブログの目的は3つあります。 人脈を増やすこと 学んだことをアウトプットすること ブログを継続すること このブログが少しでも皆様の役に立ってくれたら幸いです。

TOP