とあるサマープログラムの1日

とあるサマープログラムの1日

こんにちは、Ryoです。

ブログを書いている時点で、サマープログラムの3週目に突入したところです。

毎日が充実していて、あっという間に時間が過ぎていきます。

今回は、サマープログラムのとある1日を紹介しようと思います。

ちなみに、サマープログラムやLLMで何をやったかというのは毎日メルマガに書いています。

詳しい内容を知りたい人はこちらも見てみてください。

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メルマガ始めました。 こんにちは。 サマープログラムのオリエンテーションが終わり、いよいよ今日から講義が始まりました。 初……

ちなみに、下記に書いているのは1週目の最終日(金曜日)です。

1限目 – Small Group Discussion

まず、1限目はSmall Group Discussionです。

law school education, cheating on exams, or plagiarismに関するニュースを見つけてそのサマリーを作ってくるようにという課題でした。

サマリーは3-5 sentencesで用意し、さらにその中でlegal termをピックアップしクラスのみんなに説明することが求められます。

 

僕が調べたのはAIに関するニュースです。

American Bar Associationという団体がlaw schoolにおけるAIの使用状況について調査し、そのレポートを発表したというニュースでした。

その記事によると、約半数の学校がAIと法律に関する講義を用意しており、80%以上の学校がAIの利用に関して学ぶことができる何らかの機会を設けているということでした。

 

その記事でAIの利用に関して懸念が示されていたのが、入試プロセスにおけるAIの利用です。

多くの学校でAIに関するポリシーが用意されているものの、入試プロセスにおける生成AIの利用についてどのように対処するか半数以上の学校では決まっていないということでした。

 

実際に僕もこのニュースを読んで、自分のPersonal Statementを作ってもらいました。

CVをアップロードし、Personal Statementに関するrequirementをピックアップしてChatGPTにPersonal Statementを書くよう指示しました。

そしたらなんと、ものの1、2分でPersonal Statementが出てきました。

一読して、気になった点だけ修正すれば立派に使えそうでした。

 

Small Group Discussionでこの記事について発表したのですが、実際に作ってみたということを話したら、教授の印象はかなりよかったです。

記事を読んでその内容をまとめるだけでなく、それについてどのように考えたか、その記事を読んでどのような行動を起こしたかまで話すことが期待されているように感じました。

 

Small Group Discussionでのサマリーの発表は、名乗り出た生徒から順に発表する形式で行われました。

Small Group Discussionの時間は1時間ほどでしたので、発表できたのは全体の半数ほどになります。

僕は2番目に発表しました。

 

1番目に発表したのはサウジアラビアの生徒で、これまたAIについて発表していました。

詳しい内容は忘れてしまったのですが、教育現場における生成AIの使用およびそれについての問題提起という記事だったと思います。

AIというテーマは同じでしたし、僕が調べた記事は教育現場におけるAIの使用について定量的な調査をしたものだったので、次に発表しないと喋る機会を失うと思い、1人目の発表が終わった後に急いで挙手をしました。

ただ、結局発表したほとんどの生徒がAIに関するニュースを取り上げていたので、僕の心配は杞憂だったことになります。

2限目 – Common Law System and Structure of the U.S. Legal System

2限目は、Common Law System and Structure of the U.S. Legal Systemに関する講義でした。

Common Law System

前半はCommon LawとCivil Lawについての講義です。

 

日本の法体系はCivil Lawです。

これは非常に簡単にいうと、法律というものは成文化され、判例は以後の裁判所の判断を拘束しないというものです。

裁判所の役割としては、当事者間にある法律問題を調査し、それを既存の法律に当てはめるということになります。

 

それに対して、アメリカはCommon Lawという法体系を採用しています。

Common Lawの特徴として、裁判官が法律の形成に関与するというものがあります。

つまり、過去の裁判例がその後の裁判における裁判官の判断を拘束するというものです。

これはStare decisisと言われるそうです。

裁判例がprecedentとなってその後の裁判の内容を拘束することの利点としては、裁判の効率化、当事者間の公平、結果の予測可能性があげられます。

 

講義では、Common LawとCivil Lawそれぞれの利点と欠点が議論され、自国の法体系を変えるとしたらどのように変えるかといった内容が議論されました。

Structure of the U.S. Legal System

後半では、アメリカの裁判システムについて講義がありました。

アメリカはCommon Lawなので、ある裁判に対してprecedentとなるべき判例がある場合、当該裁判はそのprecedentに拘束されることになります。

では、いかなる判例がprecedentとなるのかということが問題となりますが。ここでアメリカの裁判システムが関わってきます。

 

ご存知の通り、アメリカは50の州から成り立っています。

州には様々な権限が与えられており、独自の法律を作ることができます。

それとは別に、アメリカには国土全体に適用されるルールもあります。

つまり、アメリカで生じる問題には、州のルールが適用されるものと国土全体に適用されるルールが適用されるものがあるわけです。

 

これらに対処するため、アメリカには2つの裁判体系があります。

それがFederal Court SystemとStates Court Systemです。

 

Federal Court Systemはアメリカ全体に適用されるルールに関する問題を扱います。

扱う問題は2つで、Constitutional Lawに関するものとDiversity Issueに関するものです。

Constitutional Lawは日本でいう憲法に該当します。

Diversity Issueとは、異なる州に住む者同士の紛争を言います。

States Court Systemは州に適用されるルールに関する問題を扱います。

デューク大学がある州はノースカロライナ州ですが、ノースカロライナ州の住人同士の紛争が生じた場合、ノースカロライナ州法の問題となりますからノースカロライナ州のState Court Systemで争われることになります。

そうではなく、たとえばノースカロライナ州とカリフォルニア州の住人間での紛争が生じた場合、Federal Court Systemで争われることになります。

 

2つの裁判体系それぞれで3審制が採用されています。

日本でいう最高裁判所に相当するUS Supreme Courtもあれば、ノースカロライナ州最高裁判所もあるという感じです。

Federal Court Systemの場合はUS Supreme Courtが最高裁判所となり、ノースカロライナ州の場合はノースカロライナ州最高裁判所が最高裁判所となります。

 

裁判体系の話をし出すときりがないので、ここら辺で止めておきます。

 

ある裁判がprecedentとなるかは、CourtとFactの問題で決まります。

Precedentとなるのは、常にCourts of Appeal の判断です。

Courts of Appealは日本でいう高等裁判所に当たります。

Courts of Appealがprecedentとなる場合、同じCourts of Appeal及び下級裁判所であるDistrict Courts (Trial Courts)の判断を拘束します。

 

アメリカではbindingとpersuasiveという概念があり、ある過去の裁判所の判断がbindingに該当する場合、裁判官は当該判断と異なる判断をしてはいけないということになります。

Persuasiveの場合、裁判官は過去の裁判所の判断に拘束されることはありません。それはあくまで参照されるのみということになります。

 

たとえば、ノースカロライナ州の住人間で起きた紛争について、過去のノースカロライナ州のCourts of Appealの裁判例がprecedentになるとします。

その場合、今回の裁判における裁判官の判断はCourts of Appealの裁判例と同じでないといけないということになります。

他方、今回の紛争と同じ論点がバージニア州で行われた裁判で問題となり、それに関する判決が出ていたとします。

これは州が違うので今回の裁判におけるprecedentとはならず、あくまで他州の裁判官がそのような判断をしたというだけのpersuasiveな資料に過ぎないということになります。

 

このように、同じ州におけるCourts of Appealの裁判例のみがprecedentとなるということになります。

Federal Court Systemの裁判例であっても、ノースカロライナ州裁判所におけるprecedentにはなりません。

 

そして、precedentになるための条件としてもう一つFactの問題があります。

これは、過去の裁判例と今回の裁判の事実が同じであるということです。

当然のことながら、論点が違う裁判例をprecedentとすることに合理性はありません。

同じ問題に対して判断した裁判例があり、その内容に拘束されるからこそ当事者の公平や予測可能性といったCommon Lawの利点があるわけです。

 

そのため、裁判の当事者としては、ある裁判例と今回の裁判の事実が同じかということを論じることになるわけですね。

たとえば、原告が裁判例Aがprecedentになると主張し、被告がAは今回問題となっている事件は事実関係が違うからprecedentにはならないと主張するわけですね。

これが、非常に大まかなアメリカ裁判制度の概要です。

Potluck Party !!

講義はこれで終わりでしたが、夜にPotluck partyというものがありました。

これは、生徒が自国の料理を作って持ち寄りみんなで食べようというパーティです。

日本人は10人いたので、みんなで協力して焼きそば、炊き込みご飯おにぎり、カレーライス及びたこ焼きを作りました。

2グループに分かれ、僕たちのグループは焼きそばと炊き込みご飯おにぎりを作りました。

 

焼きそばを作っていたところで、外が雷雨になり、なんと家が停電してしまいました。

幸い近くに別グループの人の家があり、そこは停電していなかったので、その家に移動して焼きそばを何とか作ることができました。

 

他の国の料理も様々で美味しいものばかりでした。

中国からは餃子と焼きそばに似た麺料理、メキシコはタコス、スイスはパスタといった具合です。

準備途中ですが、下記のような感じで各国の料理を並べていきます。

Potluck partyが終わった後は、残ったメンバーでパブに行きました。

参加者は、ブラジル、アルゼンチン、スイス、コロンビア、メキシコ、日本だったと思います。

僕は車で移動していたので、お酒は飲みませんでしたが、特にラテン系の人たちはガンガン酒を飲んでいました。

 

日本では少しでもアルコールを摂取すると飲酒運転となりますが、どうやら血中アルコール濃度が0.08%未満の飲酒量であれば運転しても問題ないようです。

それを知っていたらお酒を飲んだかと言われれば飲みませんでしたが、アメリカでは多少の飲酒が許されているというのは驚きでした。

 

家に帰ったのは翌日の1時頃で、9時から0時までクラスメートの人たちといたことになります。

最高に充実していた1日でした。

とはいえ、最初の1週間を終えてかなり疲労も溜まっているので、週末はゆっくり休みたいと思います

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Ryo

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こんにちは、Ryoといいます。 このブログは留学記です。 このブログのテーマは、『日本にいたらできないようなチャレンジをする』こと。 留学で経験したこと、考えたこと、感じたことをレポートします。 このブログの目的は3つあります。 人脈を増やすこと 学んだことをアウトプットすること ブログを継続すること このブログが少しでも皆様の役に立ってくれたら幸いです。

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