- 2025年2月14日

こんにちは、Ryoです。
前回の記事で、NY Barの受験記について書きました。
こちらは、僕自身の勉強を踏まえて、こうしたらいいだろうなといういわば「理想の勉強法」を書いた記事になっています。
今回の記事では、「実際お前はどのくらい解けたんだ?」というところにフォーカスしていきたいと思います。
勉強のやり方は前回の記事を参考にしていただければいいのですが、この記事を読んで、このくらいでも合格できるんだという感覚を掴んでいただければと思います。
NY Barの点数
本題に入る前に、私の点数を書いておこうと思います。
私の点数は290点(400点満点)でした。
MBEの点数が144点、MEEの点数が146点です。
合格最低点は266点ですので、合格するには十分な点数といえます。
高い点数かと言われると微妙ですね。
一般的に300点を超えれば高い点数ということになるのではと思います。
合格最低点よりは結構高いので、もう少し勉強量を抑えてアメリカ生活を満喫しておけばよかったかなと思っています。
試験を受けてみての感想
では、ここからは試験を受けた感想について書いていきます。
MPT
MPTだけの点数は出ないのですが、MEEとMPTの点数を合わせて146点でした。
ちなみに成績は合計点とMBEの点数が通知されます。
合計点からMBEの点数を引いて、MEEとMPTの点数を算出することになります。
146点がどのくらいかというと、平均的な点数というところかと思います。
可もなく不可もなくという感じですね。
2ヶ月という限られた時間の中では、どれだけ勉強してもMEEとMPTの点数はあまり変わらないのではと思っています。
試験前の勉強
MPTは、試験前に2回答案を書きました。
問題を読んで答案構成をする作業を3問ほどやり、実際に2問答案を書きました。
本当はもう少し演習をしておきたかったですが、やる気にならず結局やりませんでした。
90分しっかり時間を取って答案を書くのは大変ですからね。
僕の場合、妻と娘が公園に遊びに行く午前中を使って問題演習をしました。
割と早く帰ってきてしまう時もあったので、その時は娘に妨害されながら解いたりしていました。
演習時の実感
初めて答案を書いたときは90分でギリギリ答案を書き終わらない感じでした。
本番で時間内に書き終えられるか若干不安が残りましたが、もう一回演習をすれば大丈夫だろうと思いました。
2回目を解いた時は、資料を読むのも早くなり、なんとか時間内に書き上げることができました。
180分を使って2問を書くという練習はしていなかったので、本番で時間内に書き終わらないという不安は残りましたが、問題との相性もあるので、このまま本番に臨むことにしました。
演習時に書いた文字数は800-1,000 wordsくらいだった気がします。
文字数は気にしたわけではなく、答案構成を膨らませて書きたいと思ったことを書いていったらこのくらいの文字数になりました。
本番ではどのくらい書いたかわかりません。
本番ではword数ではなく、character数で表示されます。
もしかしたらword数を表示させることもできたのかもしれませんが、そんなことを考える余裕はなかったので、結局何word書いたのかわからないまま試験を進めることになりました。
MPTの解き方
MPTの解き方ですが、まず初めに答案の形式を確認します。
ほとんどの場合、memorandumを書けという出題形式ですが、たまに違う年もあります。
Memorandumだったら、To→From→Re→Dateといった形式面を先に書いてしまいます。
その後資料を読んでいきます。
資料を読む順番は任意ですが、The Fileの事案の内容を読み、The Libraryで規範を確認して、The Fileの残りの部分(判例)を読むという順番が一般的なようです。
資料を読む時間は45分以内に収めるのがいいとされています。
資料を読んだら、どんどん書いていきましょう。
頭の中で構成をイメージして、それに沿って書いていく感じですね。
いい答案を書こうとはせず、とにかく時間内に書き上げることを意識しました。
実際に試験を受けてみて
実際に受けてみて、あまり解けたという印象はなかったです。
時間内に書き上げることができたのはよかったのですが、それほど筆が乗らなかったという感想でした。
もう少し事案がすんなりと頭に入ってくれば、よりスムーズに答案が書けたかもしれません。
この年の問題には、見慣れない医療用語が出てきたりしたのでなかなか読みづらかったです。
僕としては、時間内に書き上げるということが最大の目標でしたので、それが達成できてよかったです。
合格するために意識すべきこと
時間内に書き上げることさえできれば、合格するためには十分かと思います。
時間内に終わらなかった人もいたようでしたが、それでも合格している人はいます。
いい答案を書くというより、途中答案にならないことを目指して答案を書くよう意識するとうまくいくと思います。
文字数は上でも書いた通り正確なところはわからないのですが、周りの受験生の方がたくさん書いていました。
MEE
続いて、MEEです。
MEEはどのくらい解ければいいのと気になる人は多いのではないかと思います。
試験を受けた後の感触
MEEの問題は6問出ますが、僕の年はCorporate, Trust and Estate, Contract, Constitutional Law, Criminal Procedure, Tortsでした。
このうち、試験が終わった段階では、
- それなりに書けた:Corporate, Contract, Torts
- まあまあ書けた:Trust and Estate
- わからなかった:Constitutional Law, Criminal Procedure
という印象でした。
3つは論点がわかって、1つは半分くらいわかった、後の2つはほぼわからんといった印象です。
空欄にした問題はなく、どの問題も一応IRACの形は守って答案を書きました。
上記はあくまで自分の印象ですので、書いた内容があっているかはわかりません。
試験時の出来事
1問当たり30分のペースで進めていたのですが、少しずつ押してきて、3問目が終わった段階で1時間45分くらい経っていたような気がします。
その後、Constitutional LawとCriminal Procedureの問題を見て何を書くべきかがよくわからなかったので、この時点で軽く絶望しました。
もしかしたら落ちるかもしれないという思いが頭をよぎったのを覚えています。
これらの2科目よりTortsの方が書けそうだということがわかったので、まずはTortsを書くことにしました。
Constitutional LawとCriminal Procedureは大したことは書けないので、Tortsに全力を注ごうと考え、書けるだけ書きました。
その後、Constitutional LawとCriminal Procedureもさすがに何か書かなければと考え、IRACの形で答案として仕上げました。
最悪2科目空欄で提出することになるかもしれないと覚悟していたので、なんとか全ての答案をIRACで書き上げたことでホッとした記憶があります。
正しいことを書いていなくても、規範を挙げて当てはめをしようとする姿勢を答案で見せることができれば評価はされるようですので、わからない問題でもIRACを守って書いていくことが大事だと思います。
文字数は分かりませんが、一番書いた答案で8,000 character弱書いていました。
一番書けなかった答案は2,000-3,000 characterだったと思います。
振るわなかった要因
MEEがあまり振るわなかった要因としては問題演習が少なかったことが挙げられます。
試験前に実際に答案を書いたのは2問くらいで、ほとんど答案を書かないまま本番に臨みました。
答案を書かなかった理由はめんどくさかったから、自分の実力を知るのが怖かったからというのが理由です。
合格率がもっと低いシビアな試験だったら徹底的に対策して臨んでいたと思いますが、過去に受けた日本人学生はほとんど合格していますし、そこまで対策する必要はないだろうと思ってほとんど対策をしませんでした。
初めて答案を書いた時の感想
初めて答案を書いたときは、論証に時間をかけすぎてとても30分では終わりませんでした。
書きたいことを全部書こうとしていたら到底間に合わず、30分で答案を書くことを意識しなければならないとそこで気づきました。
その観点からはSmart Sheetsの論証は長すぎるので、優秀答案を見るなどしてより論証を短くしていきました。
論証をただ覚えるのではなく、この論点ではこの要素とこの要素をシンプルに書く形にしようといった感じです。
また、Smart Sheetsを読むだけでは論点抽出力が身につかないので、過去問の問題を読んで頭の中で論点を考え、優秀答案を見るという作業も行いました。
7月中旬くらいからやったのであまり数をこなせなかったのですが、これをもっと早い段階からやれていればよかったと思います。
試験を終えた感想
試験を終えた感想としては、MEEの勉強は非常にコスパが悪いと感じます。
100ページのPDFを暗記したところで出題される論点は数問ですし、その論点が出題されたとしてもその問題が出題されたことに気がつかなければ、意味がありません。
かといって暗記しないわけにもいかず、ひたすらにSmart Sheetsを覚えるしかないといった現状です。
Smart Sheetsを覚えるのは王道の勉強法なのですが、過去問を見て論点を考えるといった訓練や優秀答案を見てコンパクトな答案の書き方を考えるという勉強をやった方がより得点に直結すると思います。
特に自分のタイピング力を把握し、30分にどのくらいの文字数が書けるか、自分の限界を把握した上で論証はどのくらいコンパクトにまとめるべきかということはしっかり考えた方がいいと思います。
合格するためにどれくらいできるべきか
とはいえ、上記にも書いた通り、6問中3問は書けた、1問は普通、2問はわからないといった出来でも十分すぎる点が取れているので、本番が振るわなくても問題ないと思います。
これはあくまで私の実感ですが、MEEができなかったからといって落ちることはないと思います。
落ちる原因としては、MEEではなくMBEの点数が良くなかったという人が大多数なのではと思います。
MEEの点数が悪い人は、MEEだけでなくMBEの点数も悪いということですね。
ベースとなるMBEの知識が疎かになっている以上、MEEで点数が取れるわけがないということです。
その意味で、MEEでも特にMBE科目をしっかり書けるようになることが大事だと思います。 MEEプロパーの科目は非常にコスパが悪いので、それよりもMBE科目の勉強に注力することをお勧めします。
MBE
ということで、最後はMBEの話に移ります。
MBEの点数について
僕のMBEの点数は144点です。
この点数はそれほど高くないです。
日本人受験生のMBEの得点として、160点台なら高得点、150点台なら平均的、140点台はやや低めといったところかと思います。
日本人受験生はMBEに注力するので、他の受験生と比べても点数が高い傾向にあります。
試験が終わった当時としてはそれなりに解けたのではと思っていたのですが、点数を見る限りそうでもなかったようです。
ちなみにMBEが120点台でも合格している人はいますので、MBEの点数もそこまで気にする必要はないのかなと思います。
MBEの点数は勉強量によって差が出ますが、MEEとMPTの点数は勉強量に関わらず130-140点あたりの人が多いです。
演習量について
MBEの演習量ですが、Emanuelで約700問、Adaptibarで約1,300問の合計2,000問を解きました。
一般的には十分な量とされる2,000問を解いたのでそれなりに点数も出るのではと思っていただけに、144点というのはちょっと渋いです。
別記事でも書きましたが、僕はEmanuelを5月下旬―6月上旬の間に終わらせました。
ここでMBEへの不安が消えたので、その後はMEE対策をしました。
6月いっぱいはその後ほとんどMBEの対策はしなかったです。
復習がてらEmanuelの2周目をやったくらいです。
7月に入ってからAdaptibarをやったところ、思ったより解けなくて焦りを感じました。
そこからは1回10問を1セットとして、1日当たり100問の問題を解くようにしました。
合計で1,300問に達したのが7月20日頃で、これだけやったならもういいだろうと再びMBEへ自信を持つことができました。
Emanuelの問題もAdaptibarの問題も間違えた問題は数回復習し、万全の体制を整えたつもりだったのですが、それもあまり役に立たなかったようです。
一つの問題を繰り返すよりも、たくさんの問題を解いていく方が短期間集中のこの試験ではうまくいくのかもしれません。
勉強方法について
最初の頃は、間違えた問題を中心に日本人ノートの該当箇所を読み返すという作業をしていましたが、Smart Sheetsを使うようになってからは日本人ノートを深く読み込むこともなくなりました。
というのも、Smart Sheetsに書いていない内容は試験に出ないと思うようになったからです。
日本人ノートよりはSmart Sheetsの方がより多くの受験生に使われているので、試験対策としてはSmart Sheetsの方を信頼すべきだという結論に至りました。
日本人ノートはかなり細かく書いてくれていますし、具体例もあってわかりやすいのですが、いかんせんSmart Sheetsに比べると情報量が多すぎるので、Smart Sheetsを参考に読み込む内容を調整すると読む時間を減らすことができると思います。
7月最終週は、総仕上げとして日本人ノートを各科目通読しました。
勉強を始めた頃よりも知識がついていたので細かいところまで目を通すことができましたが、実際に試験に役立ったかは定かではないです。
心の安定のために役立ったということにしておきます。
誤解のないようにいっておきますが、日本人ノートは非常に役立つ教材です。
日本語であれだけ網羅的にまとめられた資料は他になく、最初に全体像を把握するための教材として日本人には最適だと思います。
EmanuelやSmart Sheetsを使うことで、試験に求められる知識がよりはっきりしてくるので、そうしたら日本人ノートの内容を取捨選択していくのがいいと思います。
試験時間について
試験前に時間を計って問題を解くという作業はしませんでした。
1問あたり1分40秒ほどなので時間はタイトですが、問題演習も十分にこなしたのでなんとかなるだろうという感覚でした。
本番はとにかくスピード重視で進めました。
わからない問題はダミー問題だと思って飛ばすか適当に答えるかして、わかる問題だけをしっかり考えて解いてきました。
その結果、午前の部は30分、午後の部は45分ほど時間を残して解き終えることができました。
一通り解き終わった後に自信のない問題を見返すなどしました。
終わった後の感想
終わった後の印象は可もなく不可もなくという感じで、合格に必要とされる6-7割は確保できたのではないかという印象でした。
MBEは問題ないのでおそらく合格はしているだろうが、MEEとMPTの点数はやや心配という感触でした。
実際の結果は、むしろMEEとMPTの点数の方が高かったので終わった後の感触はあまり当てにならないなと感じています。
終わりに
いかがでしたでしょうか。
読んでもらえたらわかると思いますが、偉そうなことを言っている割にあんまりできてないじゃんということがわかってもらえたらと思います。
実際、試験本番はできたという実感はほとんどありませんでしたし、なんならMEEの時間には「(分からなすぎて)もしかしたら落ちるかもしれない」と冷や汗をかいたりもしています。
論文がほとんど書けなくても問題なく合格できるので、本番の感触はあまり気にしなくていいと思います。
MBEは勉強したらしただけ点数が上がるかもしれませんが、MEEやMPTは勉強しても大幅に点数を上げるのは難しいかもしれません。
勉強が楽しければとことん勉強してもいいと思いますが、そうでない場合はほどほどに勉強した上で夏を楽しむのがいいと思います。
NY Barの勉強期間は気温もちょうど良く、学校の授業もないしで最高の季節です。
僕もHyroxという競技の世界大会を見に行ったり、毎日プールで泳いだりと1年のアメリカ生活の中でも特に楽しむことができました。
毎日晴れていて、外を歩くだけでも楽しかったです。
この記事を読んで、これくらいでも合格できるんだなと思っていただければ幸いです。
落ちない程度に勉強することは当然大事ですが、それよりも一生に一度のアメリカ留学生活を満喫していただければと思います。
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プロフィール
Ryo
こんにちは、Ryoといいます。 このブログは留学記です。 このブログのテーマは、『日本にいたらできないようなチャレンジをする』こと。 留学で経験したこと、考えたこと、感じたことをレポートします。 このブログの目的は3つあります。 人脈を増やすこと 学んだことをアウトプットすること ブログを継続すること このブログが少しでも皆様の役に立ってくれたら幸いです。