クラスメートのサピエンス全史の解説を聞いて、人生の面白さを教えられた話

クラスメートのサピエンス全史の解説を聞いて、人生の面白さを教えられた話

人生は、全て虚構(ウソ)なんだ。
だからこそ、自分で意味を見出すことに面白さがあるんじゃないかな。



こんにちは、Ryoです。

今回は、クラスメートと話して非常に勉強になったことを書こうと思います。

僕は今シカゴ大学に留学しているわけですが、全米第3位にランクインするほどのロースクールなわけで、それはもう優秀な学生が世界から集まっています

彼らと話をすると、とにかく刺激を受けます。

僕はロースクールに通っているので、クラスメートはみんな弁護士、つまり法律の専門家なのですが、法律だけでなくとにかく教養がすごいです。

この前のランチでは、ロシア文学の話が話題になりました。

ロシア人の友達が、ロシア文学がいかに悲観的かというのを熱く語ります。

アンナ・カレーニナの話をしていて、なぜアンナは自殺したのか、本当の愛とはなんなのか、やっと見つけたと思った愛すらも信じられなくなった時人はどうするのか、そもそもなぜロシア文学はこんなに悲しいのかなどなど。

僕はロシア文学をほとんど読んだことがないので、詳しい内容はあまりわかっていません。

周りの友達もそうで、そのロシア人以外ロシア文学に詳しくないのですが、それでも会話を続けられるのが彼らのすごいところ

「私もロシア文学興味あったんだよねー。とりあえず『カラマーゾフの兄弟』だけは読んだ。プーシキンとかトゥルゲーネフも読んでみたい!」

「ブルガーコフの『巨匠とマルガリータ』は面白かったよ。とんでもないことがどんどん起こって、なんて想像力なんだと驚愕したよ。」

いやいや、ロシア文学に詳しくない言う割にめちゃめちゃ知ってるやんけ。

日本人あるあるかと思いますが、外国の映画や本の邦題は知っていても英語や原題はなんていうかわからない

そんな現象に僕も直面し、会話が終わってググってみてからようやくこの本の話をしてたのかとわかることもしばしば。

前に台湾人と映画の話をしていた時に『The Fast and the Furious』で東京が舞台になったことがあるよねと言われ、『The Fast and the Furious』って何?となったのですが、めちゃめちゃ有名な映画じゃん!と言われ、調べてみたら『ワイルド・スピード』の話だと言うことがわかり、いやいや原題と違いすぎてわからんわとなったこともあります。

サピエンス全史の話をした

さてさて、そんな留学生と話した数あるエピソードの中で、今回はある本について話していた時のことを話します。

南米から来た留学生と話していたところ、おすすめの本といえば?と言う話になり、その彼がしてくれた話です。

彼が挙げた本は『サピエンス全史』でした。

この本のことを知っている人も多いと思います。

著者ユヴァル・ノア・ハラリは、イスラエルの歴史学者で彼が書いた『サピエンス全史』『ホモ・デウス』はいずれも全世界でベストセラーになり、世界に多大な影響を及ぼしています。

僕も昔読んだことはあるのですが、何しろ難しい本ですし、読んだのは昔のことだったので内容はあまり覚えていませんでした。

彼は、そんな僕にもわかるように本の内容を噛み砕いて、それがどのように彼の生き方に影響を与えているかを説明してくれ、それが面白かったので共有しようと思った次第です。

すごく簡単にまとめると、こんな感じ。

人類というのはストーリー、つまり虚構を信じたことで生態系の頂点に立った。
ストーリーの力は凄まじいものがあり、どのストーリーを信じるかで自分の人生は好きなように選ぶことができる。

決して裕福とはいえない家庭環境の中、必死に努力してシカゴ大学のロースクールまで辿り着いた彼がいうと説得力があります。

『サピエンス全史』では、

  • 認知革命
  • 農業革命
  • 科学革命

という3つの革命によって人類は進化したのだと言っています。

彼は、その中でも認知革命が特に重要なんだと話していました。

ヒトは「ウソ」を信じることで進化してきた

認知革命というと難しく聞こえますが、要は虚構、つまり「ウソ」を人間が信じられるようになったというのがポイントです。

みんながその「ウソ」を信じたことによって本当になったことってたくさんあります。

彼が例として挙げたのが、お金の話。

「日本の通貨は円だよね?じゃあ、1万円札の原価っていくらか知ってる?」

当然知らないので、調べてみると1万円札の原価はなんと22円

紙と印刷代しかかかりません。

つまり、紙に1万円を書くだけで9978円の価値が乗っかっていることになります(これをシニョリッジと言います)。

なんで22円の紙一つで1万円のサービスを受けられるのかというと、日本人を含む世界中の人が、1万円札で1万円のサービスと交換できるというルールにしましょうという虚構、ストーリーを信じているからです。

貨幣が信用で成り立っていると言われる所以ですね。

貨幣の信用はつまるところ国の信用ですから、国の信用がなくなるとこの嘘は崩壊します。

貨幣価値が減少するとモノの値段が相対的に上がり、インフレが起きます。

アメリカや日本をはじめ、世界で起こっていることですね。

日本でも株や不動産の値段が上がっていますが、これはそれらの価値が増大したというより、日本円の価値が減少していることが原因です。

ドルと円の関係でいえば、1ドル=75円だった時代もありました。

今は1ドルが150円、160円の時代ですから、それだけ円の価値が相対的に低下しているということになります。

過去にドル円が160円に到達したのは1990年が最後です。

つまり、僕は過去35年で最も円が弱い時期に留学をしていることになります。

さらにいえば、ロースクールの学費は毎年上がっています。

円安と学費のダブルパンチ、もっといえばアメリカの物価高のトリプルパンチを食らっていることになります。

生活するだけでも大変です。

2011年にはなんと1ドル=75円台に到達。

いやいや、150円とかその頃から2倍になってるやんけ。

その頃に留学できていたら、、

さぞかし裕福な生活ができていたことでしょう。

その頃にはまた別の悩みが色々とあったのかもしれませんが。

話は戻りますが、国の信用、つまりは国民及び世界の人がいかに虚構を信じているかによって通貨の価値が決まっています。

価値がなくなれば、ハイパーインフレに突入し、国はデフォルトします。

南米はアルゼンチンのようにデフォルトを経験し、国民が困窮した歴史がありますから、彼にとっても通貨とは何かという問いは身近なものになっているのでしょう。

人間社会は全て虚構、ストーリーだ

虚構の力は貨幣だけでなく、宗教や信仰、今僕が学んでいる法律にまで影響を及ぼします。

英米法体系の基礎となっているコモンローは、もともとイギリスで生まれた判例法や慣習法体系を意味します。

つまり、民族間の慣習がベースになっているわけですね。

この地域ではこういうルールでやっていこう、それがいつの間にか国全体で通用するルールとなっていきました。

虚構、ストーリーを共有することで人々は社会を築いてきたんだよ。

彼は熱く語ります。

他の動物はストーリーの共有ということができないんだ。
見たものを見たままに感じることしかできない。
それが人間との違いなんだよ。

聞いたところによると、ストーリーを共有できないと個体数が150を超える集団は行動できない、つまり社会を形成することができないそうです。

小さな集団で縄張りを形成することはできるけど、それ以上の広がりを生むことはできない。

でも、僕たちホモ・サピエンスはストーリーの力によりルールを共有することができました。

ストーリーの力で協力することによって、村を作り作物を蓄えたり(農業革命)、作物を勝手に食べてしまった人を罰したり(法律の始まり)、火によって危険な動物を撃退できることを次世代に伝えたり。

ストーリーの力によって、人間社会は爆発的に成長を遂げました。

それが、ホモ・サピエンスが繁栄した理由です。

それが『サピエンス全史』のごく簡単な要約なわけですが、冷静に考えてみると確かにこの世の中の多くは虚構で作られているなと感じさせられます。

僕は今、ブロックチェーン及び暗号資産のセミナーを受講しています。

ブロックチェーンや暗号資産が社会にどのような影響を及ぼすかをみんなで議論するセミナーです。

暗号資産といえばビットコインですが、ビットコインはサトシナカモトを名乗る人が書いた書類(ホワイトペーパー)から全ては始まりました。

中央集権的な金融システムを脱却し、余計な仲介者を排除した分散型ネットワークを利用した安全かつ信頼性の高い新しい通貨システムを作るというのがビットコインの目的です。

しかし、どれだけいいことを言っても、それが人々に伝わらなければ意味がありません。

デジタルマネー?
お金は紙でしょ。
触れないお金なんかなんの価値もないわ。

と思う人もいれば、

ビットコインのシステムや理念は素晴らしい!
これからはデジタルマネーが世界中で使われるようになるぞ!

と思う人もいます。

後者は元々少数派でしたが、デジタルだろうがお金はお金だと信じる人がどんどん増え、ビットコインの価値は100倍にも1000倍にもなりました。

より多くの人がビットコインの価値を信じるようになったからこそ、ビットコインの価値が上がったということですよね。

人生は全てウソ、ならばどうする?

全てのものは虚構である。

全部ウソなら、頑張る意味なんかないじゃないか

『サピエンス全史』を読んでそのことを知った後、彼が感じたのは虚無感だったといいます。

成り上がるために必死で勉強したり、アメリカで勉強するために英語を頑張って勉強したり、スポーツで努力したり、、

あるいは家族を亡くしたり、裏切られたり、借金をしたり、、

楽しい経験もあれば、辛い経験もあったことでしょう。

全てはウソ、虚構。
でも、それでも人は生きていく。
前を向いて自分の人生を生きていくしかないんだ。

そう思ったと彼は言います。

全てが虚構、それは分かった。
じゃあ、そのウソをとことん楽しんで、人生というストーリーをとことん面白くしてやろうじゃないか。

どのストーリーを信じるかは自分次第。

人生は、自分次第でいくらでも面白くできるんだ。

それが『サピエンス全史』からの彼の学びでした。

自分の常識を破壊する経験

留学にいくと、当たり前だと思っていたのが当たり前ではないということに気付かされます。

日本では、不貞行為や浮気をしたら著しく社会的信用を失います。

しかし、海外では一夫多妻制が許される国もあります。

レストランでも、日本では当たり前の接客が海外ではありません。

Amazonの梱包も日本とアメリカでは全く違います。

ハーフマラソンにエントリーした時、送られてきた小包にはゼッケンと参加賞のパーカーだけがそのまま入っていました。

日本だったら、パーカーは少なくとも袋に入っているでしょうし、大会についての説明紙も入っているかもしれません。

周りのみんなが何を正しいと信じているか。

それで社会や文化は決まります。

仕事だって同じです。

  • ある人は労働こそが一番だと信じている。
  • ある人は経営者が一番かっこいいと信じている。
  • ある人は投資家こそが会社の持ち主だと信じている。
  • ある人は法律家が社会を支えていると信じている。
  • ある人は成功しなけりゃ人生じゃないという。
  • ある人は仕事が楽しければいいじゃないかという。
  • ある人はそもそも働く必要なんてないじゃないかという。

これらはある意味で全て正解であり、間違いである。

問題はその中で自分はどれを選ぶのかということです。

人生に意味はない。
全てフィクションなんだ。
だからこそ、自分で意味を見出すことに面白さがあるんだよ。

そう彼は熱く語ってくれました。

どうせ一度きりの人生なら、仲間がたくさんいて、感謝される人生で終わりたい。
だからこそ、僕は友達を作りたいと思ってここにきたし、みんなの役に立てると思って弁護士をしているんだ。

かっこいい。

彼の言葉に素直にこう思えました。

日本でこの話をすると、何頑張っちゃてるの?とか、意識たか!とか言われて相手にされないような内容かもしれません。

しかし、世界ではこのように自分の感じたこと、夢を熱く語る人たちがいます

そういう仲間に出会えたことで、留学してよかったと心から思えます。

留学によって、自分が持っていた常識(ストーリー)をぶっ壊し、その上で自分がどのストーリーを選択するかを考える。

そんなチャンスが自分に与えられているわけです。

日本という同じ価値観の中で生きている人たちの間では気づけないことに気づき、考えることができています。

あとはその上で、自分がどのようなストーリーを選択するかですね。

そのためには、まずは自分がどのような価値観に染まっているか気づかなければなりません。

日本にいるだけではなかなか難しいことです。

留学にいけば、クラスメートと何気なく話すだけで、自分の価値観をぶっ壊すことができます。

難しいことなんかする必要ないんです。

終わりに

学校で真面目に勉強して、最初に勤めた会社で一生を終える。

日本では長らく終身雇用という価値観人々を支配してきました。

アメリカでは、終身雇用という考え方は支配的ではありません。

転職は当たり前、いろんな仕事を経験して、自分に合った生き方、働き方が見つかればいい。

そういう考えです。

自分が染まった価値観を認識した上で人生の選択肢を選び直す。

それこそが真の自由なんだと、彼の話を聞いて気付かされました。

自分も『サピエンス全史』読んだけど、ここまでのことは考えられなかったよ。

留学という経験のありがたさを感じるとともに、クラスメートのレベルの高さを思い知った出来事でした。

追伸

いかがだったでしょうか。

留学では、世界から集まった優秀な仲間たちから刺激を受け、日本では気づけなかった学びを多く得ることができています。

今回の話はほんの一部で、まだまだ面白いと思った話がたくさんあります。

メルマガでは僕が留学する中で感じた

  • 彼らが成功した理由、方法論
  • 人生との向き合い方
  • 勉強法

などなど、ブログでは書かない内容をお伝えしています。

留学に行かなくても、世界のエリート達の思考を身につけることができる。

そんな内容のメルマガになっています。

留学に興味があってもなくても勉強になる内容を詰め込んでいます。

興味のある方はぜひ下記からご登録ください。

プロフィール

Ryo

Ryo

こんにちは、Ryoといいます。 このブログは留学記です。 このブログのテーマは、『日本にいたらできないようなチャレンジをする』こと。 留学で経験したこと、考えたこと、感じたことをレポートします。 このブログの目的は3つあります。 人脈を増やすこと 学んだことをアウトプットすること ブログを継続すること このブログが少しでも皆様の役に立ってくれたら幸いです。

TOP