- 2025年5月17日

こんにちは、Ryoです。
アメリカのロースクール留学にはどのくらいの費用がかかるのか。
これは、私が留学準備を始めたときに最も気になっていたことのひとつでした。
ネット上には「おおよそ○○万円」といった情報はあるものの、実際にかかる費用の内訳まではなかなか見つかりません。
この記事では、僕がシカゴ大学ロースクール(UChicago Law)にLLM留学した際にかかった1年間の総費用を、授業料・生活費・保険料・書籍代・渡航費など、具体的に公開します。
これから留学を検討している方に、現実的な予算感をつかんでいただければ幸いです。
まず結論から
いきなりですが、まずは総額から書いていきたいと思います。
僕がアメリカ留学に要した費用は総額で約3,000万円です。
この金額をベースに、事務所/会社からの補助、奨学金、親族等の補助などを差し引いて、ご自身で必要な出費としていただければと思います。
ただし、いくつか注意点があります。
- 僕の家族構成は私、妻、子供(1歳)の3人です。子供は保育園や幼稚園に通っていないので、子供を保育園や幼稚園に通わせる場合にはその金額を上乗せする必要があります。その場合は、月2,000ドルほど見ておくといいかと思います(都市部ではもっとかかる可能性もあります)。
- 車は買っていないので、車を使用する場合その金額も上乗せする必要があります。
- 為替によって生活費は大きく変わります。僕が留学した時は1ドル=140-160円の間で上下しており、平均すると1ドル=150円ほどになります。
- ここで公開している費用は厳密なものではなくおおよそのものです。ドル払いした費用は1ドル=150円として日本円に換算しています。
受験関連費
まずは、受験関連費用から見ていきます。
英語試験(僕の場合はIIELTS)の費用やロースクールの出願費用が含まれます。
全体として、約150万円になります。
IELTS受験費
まずは、英語試験の受験に要した費用です。
僕はTOEFLではなくIELTSを受験しています。
IELTSの受験回数や点数推移については下記をご覧ください。
受験費用は約40万円です。
これにはIELTSの受験費だけでなく、再採点依頼の費用も含まれます。
ここは試験の受験回数によって大きく変わるところかと思います。
なるべく費用をかけないためにも、少ない回数で目標点を取りたいですね。
IELTS教材費
次は、IELTSの教材費です。
教材費は約15万円です。
これには、IELTSの問題集やオンライン英語学習の費用が含まれます。
IELTSの問題集は購入したもののほとんど利用しなかったので、もう少し減らせたかなと今になっては思います。
ロースクール受験費(アメリカ)
次は、アメリカのロースクールの出願費用です。
全体で約20万円かかっています。
僕の出願先及びその結果については、下記で公開しています。
合計6校で約20万円ということですね。
ロースクール受験費(イギリス)
最後に、イギリスのロースクール出願費用です。
最終的な留学先はシカゴに決めましたが、留学準備を始めた頃はイギリスへの進学を考えていました。
イギリスのビザ制度が変更になったため、イギリスへの留学を断念したと言う経緯があります。
イギリスのロースクールの出願費用は約70万円です。
これには出願費用だけでなく、留学アドバイザー費用やKing’s College Londonへのdeposit費用も含まれます。
イギリスへ留学する場合、King’s College Londonに行こうと決めていましたので、席を確保するためにdepositを払いました。
これは、あくまで自分の入学枠を確保するためのもので、その後にofferを辞退しても返ってきません。
生活関連費
次に、生活関連費用を見ていきます。
ここには、留学準備の費用(ビザ関連や渡航代)、月々の生活費、家賃、レジャー代(アメリカでの旅行代)が含まれています。
総額で約1,500万円かかっています。
ビザ関連費用
ビザ関連費用ですが、約20万円かかっています。
注意点ですが、私はアメリカ留学のためにビザを2回申請しています。
サマースクールのためのJビザ、LLM留学のためのFビザです。
これは特殊な例で、ほとんどの人はFビザの申請だけで足りると思います。
上記の費用は2回申請したために費用が高めに出ています。
渡航代
航空代は、約130万円です。
日本からアメリカへ行ったときは、子供が1歳でしたので僕と妻の2人分のチケットを予約しました。
アメリカから日本へ帰るときは、子供が2歳になっていたので、僕と妻の分に加え、子供のチケットも取っています。
子供のチケットを取るか取らないかで大きく費用は変わります。
2歳以上の子供は1席分取らないといけないので、渡航代を抑えたい方は子供が小さいうちに行きましょう。
アメリカへ行った時はデルタ航空を、アメリカから帰る時はANAを利用しました。
デルタ航空は乗り継ぎがありますが、時期によっては他のエアラインに比べて安いのでおすすめです。
留学準備関連のその他の費用
その他の留学準備費用として、約20万円かかっています。
ほとんどが引越し費用ですね。
アメリカへ段ボールを運ぶのにクロネコヤマトの海外引越しを利用し、16万円かかっています。
その他、予防接種や国外運転免許証取得の費用などがあります。
生活費
生活費ですが、約400万円かかっています。
このうち、電気代が約800ドル(約12万円)です。
電気代は思ったより高くないです。むしろアメリカの方が安く感じました。
その他、食費など月々の費用が約2,000ドルかかります。
月々の生活費をどのように減らすかは皆さんの腕の見せ所だと思いますが、平均して約2,000ドル(約30万円)が飛んでいくと考えていた方がいいと思います。
家賃
家賃は、約600万円かかりました。
月々の家賃が3,100ドル(約465,000円)で、火災保険や家賃保証などが追加されます。
注意点として、この金額はシカゴでの家賃(9月〜8月の11ヶ月)しか含まれていません。
僕はデューク大学のサマースクールに行きましたが、その間の約1ヶ月は妻の友人の家に泊めてもらいましたので、家賃を支払わずにすみました。
レジャー代
レジャー代は約300万円です。
ここは完全な変動費で、各人がどれだけ旅行するかによります。
僕の場合、シカゴに行く前にフロリダからカリブ海クルーズに行きました。
7泊8日のクルーズでしたが、それだけで150万円ほどを使っています。
シカゴに行ってからは、ナッシュビル、デンバー、シアトルに行きました。
飛行機代がとにかく高いので、旅行に行くと1回2-30万円は軽く飛んでいってしまいます。
ケチりたくなるところですが、留学は一生に一度の機会ですので、できるだけ多くの場所を旅してほしいと思います。
生活費その他
その他の費用として、サマースクールの時のレンタカー費用やシカゴでの家具の購入費用を入れています。
デュークの時には通学に車が必要でしたので、1ヶ月車をレンタルしました。
総額で50万円ほどかかっています。
留学関連費
続いて、留学費用に行きます。
学費やNY Bar関連費用、教材費などがあります。
全体で1,500万円ほどかかっています。
学費
シカゴ大学の学費ですが、約79,000ドルでした。
日本円に直すと、約1,200万円です。
シカゴ大学の場合は3回に分けて支払うことになっていましたので、学期ごとに400万円が飛んでいくことになります。
ロースクールの学費は年々上がっており、今年はついに8万ドルを超えました。
NY Bar関連
NY Bar関連の費用として、約80万円かかっています。
これはBarbriといった予備校費用や当日の宿泊費用、シカゴからバッファローまでの渡航費用が含まれています。
NY Barを受ける場合、ホテルはすぐにでも予約しましょう!
試験日が近づくにつれどんどん高くなっていきますので、できるだけ安いうちに取ることをお勧めします。
日本人受験生に人気なのはHyatt Regencyで僕もそこに泊まりました。
確かに便利でいいホテルなのですが、試験会場の周りにはホテルはたくさんありますので、無理にHyatt Regencyにこだわる必要はないです。
マリオットのクレジットカードを持っている人は、試験会場の近くにWestinがあるのでそこでもいいと思います。
教材費
ロースクールの授業のための教材費用として約10万円かかりました。
ロースクールの教科書はとにかく高く、1冊3万円以上することもざらです。
最初の学期は意識高く教科書を買ったのですが、全然使わなかったのでそれ以降は教科書を買いませんでした。
クラスメートに聞いてみるとデータで共有してくれたりするので、うまく協力しながらやるといいと思います。
買ってしまった分厚い教科書は捨てるに捨てれず、家の中に飾ってあります。
通信費
アメリカでの携帯電話はVisibleを使っていました。
月々20ドル(約3,500円)で制限なく使うことができます。
eSIMなので簡単にインストールでき、すぐに使うことができます。
使っていて困ることはありませんでしたので、おすすめです。
通信費は約5万円です。
その他
その他の費用として、約10万円使っています。
これは、食費や交通費(Uber等)ですね。
レストランやUberの支払いを一人がまとめて行った際に、割り勘の費用として友達に送ることが多いです。
これは学校生活を送る上での必要経費なので、ケチる必要はないでしょう。
その他費用
最後にその他の費用です。
まずは保険料。
留学ではロースクールから保険に入ることが求められます。
学校指定の保険に加入するとものすごく高いので、できれば日本の安い海外保険に入りたいです。
僕が入ったのはJALの海外保険です。
僕と妻、娘の3人で全体で150万円ほどかかっています。
ロースクール指定の保険より断然安いのでお勧めです。
少数ですが、学校指定の保険に加入している人もいました。
奥さんが妊娠している場合や子供が大きかったりすると、JALの保険だけではカバーしきれない部分が出てくるので、学校指定の保険に入ったりする人もいるようです。
僕は幸いなことに、アメリカで病院に行くことがありませんでした。
そのため、通院費用や入院費は発生していません。
実際に月々どのくらいかかるのか
以上が具体的にかかった費用になります。
これを踏まえて、実際に月々どのくらいかかるのかを考えていきます。
まずは学費ですが、これは合計3回の支払いでしたので月々の費用には含めません。
留学に行く際は学費がどのくらいかかるかはあらかじめわかると思いますので、その金額は生活費とは分けて確保しておきましょう。
月々の費用として大きいのは家賃と生活費です。
僕の場合は家賃で50万円弱、生活費で30万円ほど飛んでいきました。
合計で約80万円です。
それに加えて、旅行に行くと2-30万円かかりますので、合計で100万円ほどかかることになります。
つまり、学費を除いて100万円ほどのお金が必要と思ってもらうといいと思います。
実際にやってみると、本当にきついです。
僕の場合は事務所から仕送りがあったのですが、それでも100万円が毎月飛んでいくとなると全然貯金ができません。
むしろ貯金を切り崩す日々でした。
僕はいきませんでしたが、オーランドのディズニーランドに行くとそれだけで100万円ほどかかったりもするようです。
基本は家賃と生活費ですが、実際にどれだけかかるかは旅行代などの変動費がどれだけあるかによります。
学費で約1,200万円、月々の生活費の合計が約1,200万円(100万円×12ヶ月)と考えると合計で2,400万円。
留学に行くまでの準備だったり、旅行を追加で楽しんだりするなどして500万円上乗せするとすると、だいたい3,000万円ということになりますね。
実際のところ、円安の影響がかなり大きいです。
1ドル=100円時代であれば、もっと費用を抑えることもできたし、逆に旅行にもっと費やすこともできたかもしれません。
こればっかりは仕方ないですね。
終わりに
いかがでしたでしょうか。
冒頭で3,000万円と言われて「そんなにかかるの?」と思った人も多いかもしれませんが、実際に細かく見てみるとこれくらいかかるんだなということがわかっていただけたかなと思います。
ただ、3,000万円という金額に怖気付いて留学を諦めないでほしいなと思います。
金額を公開しておいてこう言うのも今更ですが、留学に3,000万円かかると知っていたら僕も留学を躊躇したと思います。
ただ、本当に楽しい経験をすることができたし、留学をしたことに後悔はありません。
見切り発車でアメリカへ旅立ちましたが、留学して本当に良かったと思っています。
お金のことは案外どうにでもなりますので、後先考えずに飛び込んでいってほしいなと思います。
3,000万円というお金が飛んでいったことに残念な思いもありますが、アメリカで得たかけがえのない経験やこの経験がこれから留学に行く方の役に立ったと思うと、むしろとてもいい出費だったと思っています。
みなさんが留学に行き、その経験を語り継いでいくことで、後輩の皆さんがまた留学に行くことができます。
より多くの人が留学に行き、その経験を後輩に語り継いでくれることを願っています!
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プロフィール
Ryo
こんにちは、Ryoといいます。 このブログは留学記です。 このブログのテーマは、『日本にいたらできないようなチャレンジをする』こと。 留学で経験したこと、考えたこと、感じたことをレポートします。 このブログの目的は3つあります。 人脈を増やすこと 学んだことをアウトプットすること ブログを継続すること このブログが少しでも皆様の役に立ってくれたら幸いです。