- 2024年12月23日
こんにちは、Ryoです。
今回は、大学教授に推薦状を書いてもらった時のエピソードを紹介します。
海外大学院に進学する場合は、主に英語の試験の点数(TOEFLもしくはIELTS)、Personal Statement、推薦状、成績・卒業証明書が必要になります。
MBAなどでは、GREといった別の試験も受ける必要があります。
一番大変なのは英語の試験で点数を取ることですが、人によってはそれと同じくらい大変なのが推薦状です。
というのも、大学院というAcademicな場に進学するための推薦状なので、最低でも1通は大学教授からの推薦状が必要になります。
そのため、推薦状を書いてもらえる大学教授を探すことが必要になります。
基本的には大学の頃のゼミの教授に書いてもらうことになると思います。
ゼミの総会などの集まりに定期的に参加して教授と親しい場合はなんの問題もないと思いますが、そうでない場合には非常に大変です。
実際、僕もゼミ以来教授と会ったことがなく、推薦状を書いてもらうまでに非常に苦労しました。 その時のお話です。
ちなみに、僕がなぜ留学を志したかはこちらの記事をご覧ください。
推薦状、これが問題だ
話は、8月頃までさかのぼる。
育児休暇中に育児を放棄して1週間に5回IELTSを受けた僕は、首の皮一枚つながる形でIELTSの目標点を達成することができた。
喜んだのも束の間、英語の試験の点数は出願書類の一つに過ぎず、他の書類も揃えないと合格はおろか、出願さえすることができない。
留学カウンセラーによれば、英語の試験の点数はもちろん大事だが、それと同じくらいPersonal Statementや推薦状には力を入れるべきということらしい。
差し当たっての課題は2つ、Personal Statementと推薦状だ。
Personal Statement
Personal Statementは問題ないだろう。
事務所の先輩たちの先例がたくさんある。
やっている業務は大体同じだし、これらをベースにしてアレンジすればすぐにできるはずだ。
推薦状
問題は推薦状だ。
推薦状は基本的には2通、多い場合には3通出す必要がある。
原則は2通ともAcademicな立場にいる人からの推薦状である必要があるのだが、大学卒業後ある程度の時間が経っている場合、Professionalからの推薦状(職場の上司等)の提出も1通であれば認められている。
つまり、最低1通は大学教授からの推薦状を用意する必要がある。
職場の上司に推薦状は書いてもらえる(実際は自分が作るのだが)ので、1通は問題ない。
また、司法修習時代の指導教官にも推薦状をお願いすることができるため、これも使うことができる。
教授の推薦状―これをどうするかが問題だ。
可能性があるのは学部時代のゼミの教授だけ
思いつく限り、すぐに連絡が取れる大学教授なんていない。
可能性があるとしたら、大学時代のゼミの教授だけだ。
実際、多くの留学生がゼミの指導教官に推薦状を書いてもらっている。
お願いできるとしたら、ここしかない。
ただ、教授の連絡先がわからない。
これが大問題だ。
それもそのはず。
そもそも、ゼミは3年生の前期に受けただけでそれ以来教授と全く連絡を取っていなかったからだ。
通常、大学のゼミは2年間みっちりやることが多いと思いますが、東大の場合は特殊で半年しかゼミがありません。
多くの学生は単位のためにゼミを仕方なく取るので、大学院に進んだりしない限り教授と親しくなることは少ないです。
ゼミは会社法。
それだけは覚えている。
回ごとに生徒が会社法の判例を担当し、それについて説明してみんなで議論するという内容だ。
ただ、自分がどの判例を扱ったのかすら覚えていない。
何も覚えていないのだ。
教授のゼミを志望する際、志望理由に「司法試験予備試験の短答式試験に合格しており、最低限の法律知識はあると自負しています。」といった趣旨のことを書いた記憶がある。
短答式試験に合格したくらいでは大した知識があるわけでないのに、、
無知すぎる自分を思い出すと、顔が熱くなる。
事務所の先輩に教授にすぐに書いてもらうことできましたかって聞いてみたら、「うん、総会には毎年顔を出してたからねー」という。
いやあ、俺にも総会の案内メールできてたなあ。
ずっと無視してた。
留学を考えているのであれば、時折顔を出しておくべきだった。。
教授の連絡先なんて知らねえよ。。。
一応ゼミに在籍していた以上、お願いすれば推薦状は書いてくれるだろう。
大学教授であれば、推薦状の執筆を頼まれることなんて日常茶飯事のはずだ。
そう、お願いすることさえできれば。
しかし、教授の連絡先がわからないのだ。
教授の個人HPはあるが、メールアドレスは載っていない。
事務所の先輩にどうすればいいですかねえと尋ねたところ、「大学の教務課に聞いてみれば?」と教えてくれた。
しかし、東大の卒業生証明書発行の「よくあるお問い合わせ」ではこう書いている。
推薦状を依頼したいのですが?
在学当時のゼミの教員等に直接ご依頼ください。学部チームでは以来の仲介や教員の連絡先を教えるといったことは行なっておりません。
最近はプライバシーが厳しく、卒業生といえど簡単に教授の個人情報を教えてくれることはないのだ。
やべえ。マジでどうしよう。。
推薦状を書いてもらえないかもしれない。。。
推薦状をどうするか問題は、ずっと前から懸念していた。
留学準備をなかなか始めなかったのは、英語の試験がめんどくさいことが6割、推薦状の当てがないことが4割くらいの理由を占めている。
それくらい、推薦状をどうすればいいかわからなかった。
8月まではとりあえず英語の点数を取るのが先だからという理由で、推薦状は後回しにしていた。
英語の点数が取れても、推薦状がないと出願ができない。
連絡を取る手段が見つからず、行き詰まってしまいました。
意外なところから連絡先を入手!
こうしてブログを書いている以上、無事に推薦状を執筆してもらい、出願をすることができたのですが、教授に連絡を取ることができたのは本当に幸運でした。
教授の連絡先は、意外なところから入手することができました。
それでは、話の続きをどうぞ。
ーーーー
教授の連絡先がわからない。
完全に息詰まっていたところ、出向先でお世話になった人が仕事でその大学教授と連絡を取っていたという話をしていたことを思い出した。
2022年12月から2023年6月までの間、とある金融機関に出向していた。
ある部門の担当者が退職してしまうということで、後任が見つかるまでの間事務所から一人派遣してほしいというのが依頼だ。
当時の事務所の人員の関係で、僕が行くことになった。
そこで一緒になった人(Tさん)が、たまたま大学教授のことを知っていた。
話によると、その金融機関が債権のとある問題について法改正を求めており、大学教授にアドバイスを求めていたのだという。
そして、その大学教授との連絡を取っていたのが、Tさんというわけだ。
出向中ランチを一緒に食べていた時など、Tさんはその大学教授とのエピソードを話してくれた。
当時は、「あ、僕はその教授のゼミに通っていました」くらいのことしか言っておらず、推薦状のことなど考えもしなかったが、よくよく考えてみると大学教授とずっと連絡を取っていたのであれば連絡先くらい知っているのでは?と思ったわけだ。
そこでダメ元でTさんに聞いてみることにした。
Tさん
お久しぶりです。
出向中は大変お世話になりました。
当時、〇〇教授のエピソードを話してくださったと思うのですが、教授の連絡先はご存知でしょうか。私は〇〇教授のゼミ生だったということをお話ししたと思うのですが、〇〇教授にお話ししたいことがあり、連絡先をご存知であればご教示いただけますと幸いです。
こういった趣旨のメールを送った。
そうしたら、Tさんから返事が来た。
お久しぶりです。
教授の大学のメールアドレスであれば持っています。念の為、連絡先を開示していいか教授に確認しますので、少々お待ちください。
やはり、連絡先を持っていた!
これはいけそうな気がする!
諦めかけていたところに希望の光が指してきた。
祈る思いで、Tさんからの返事を待つ。
教授からの確認が取れました。
こちらが連絡先になります。
個人的な事情と思いますので、照会の内容は聞かないようにします。
これからも頑張ってください。
きた!
ようやく連絡先を手に入れ、飛び上がるほど嬉しかった。
Tさんには感謝してもしきれない。
仕事の面倒を見ていただいた上、教授の仲介までしてくれた。
自分は色々な人に支えられて、留学を目指すことができている。
そう感じた瞬間だった。
勇気を出して、教授に連絡
連絡先は手に入れたが、まだ推薦状を書いてもらえると確定したわけではない。
大学教授は忙しい。
頼み方を間違えたら、一発アウトだ。
メールの文面は必死になって考えた。
そもそも教授は自分のことを覚えてすらいないだろう。
まずは自己紹介をしなければ、それからゼミで指導していただいたことの感謝、今やっている仕事、留学を目指す経緯、留学で学びたいこと、推薦状が必要な理由、志望校などなど。。
書かなければいけないことはたくさんある。
文面は一旦自分でドラフトし、先輩にレビューしてもらった。
一度人の目を通しておいた方が、失礼がなくていい。
文面に失礼なところはないか。
メールでいきなり推薦状をお願いして大丈夫なのか。
教授は快く引き受けてくれるだろうか。
もし引き受けてくれなかったら、、、?
とにかく不安で不安で仕方なかった。
それでも、勇気を出して送るしかなかった。
ここを逃したら推薦状を書いてくれる人はいないのだから。
推薦状の執筆など人によっては大したことない問題だし、何をそんな大袈裟なと思う人もいるかもしれないが、自分にとってはものすごく不安な出来事だった。
なんとしても成功させなければいけない。
ものすごいプレッシャーがあった。
教授は快諾、しかし内容は自分で考える、、??
メールを送り、祈るような気持ちで返事を待っていたところ、返事が返ってきた。
「推薦状の件、承知いたしました。推薦状は毎回自分で書いているので、今回もそのようにします。」とのこと。
よかった!推薦状を書いてもらえる!
嬉しい気持ちの反面、推薦状を教授自身が書くというのは想像していなかったので少し不安な気持ちにもなった。
通常、教授の貴重な時間を推薦状のために割いてもらうのはもったいないので、生徒自身が推薦状のドラフトを用意し、内容を見てもらうのが一般的だ。
メールでは、「推薦状はご自身で書かれますでしょうか。お忙しいようであれば、私の方で文面を準備し、その内容を加筆修正する方法で進めたいと考えています。」と書いてはいたが、教授は忙しいだろうから自分が内容を書くことになるものと考えていた。
教授が自分で推薦状を書くということは、自分はその内容を確認できないことを意味する。
つまり、何が書かれるかは分からないのだ。
通常、推薦状は自分で書くので内容を盛りに盛る。
「この学生は本当に優秀なので、貴大学院に相応しい人材だと思う」と言ったことをこれでもかというくらい書く。
当然事実とは異なるのだが、他の生徒も同じように盛りに盛りまくった書類を用意するので、そうでもしないと勝負の土台に上がれないのだ。
しかし、教授が書くとなるとそれができない。
それどころか、半年ゼミで学んだだけでその後総会すら参加せず、留学に必要だからと突然連絡してきた顔も覚えていない生徒の推薦状など、プラスなことが書いてもらえるかどうかすら怪しい。
ネガティブなことが書かれたっておかしくないのだ。
もし大学院に落ちたら、推薦状に悪いことが書いてあったという理解でいいでしょうか、、、?
そう思いたくなるほど、どのような内容を書いてもらえるか想像もつかなかった。
推薦状を用意し、無事出願
兎にも角にも、推薦状は書いてもらえることになった。
教授には志望する大学、大学ごとの要件、用意してもらいたい期限などを伝え、推薦状を準備してもらった。
アメリカの場合、LSACというシステムがあるので複数の大学院を受験しようと1つの推薦状で足りるのだが、イギリスの場合は大学ごとに用意してもらう必要がある。
大学ごとに宛先などが変わるため、出願する大学が多いとそれだけ教授に負担がかかることになる。
さらに、大学院のシステムを通じて推薦状をアップロードしてもらうため、教授がネットに不慣れだと無事に出願できないという事態も想定される。
自分は下記記事の通り、11校の大学に出願した。
結果的には、計5通の推薦状を用意してもらうことになった。
教授は約束通り、期限までに推薦状を用意してくれた。
心配していた推薦状のアップロードも問題なく終えることができた。
メールでのやり取りではさすがに失礼だと思い、口頭で内容を説明させていただきたいとお願いしたが、忙しいからメールでのやり取りだけにしてほしいということだった。
できれば会って直接お礼を言いたかったが、メールでということなら仕方がない。
進学先が決まって報告をした時も、結局は会いに行くことはできなかった。
日本に帰って、教授のゼミ総会があるようなら、是非とも参加して直接お礼を言いたいと思う。
終わりに
これで推薦状の話は終わりです。
いかがだったでしょうか。
僕の場合は、出向でお世話になった人が偶然にも連絡先を教えてくれるという形で大学教授に推薦状をお願いすることができました。
再現性がある方法ではないので、参考になる方法ではないかもしれません。
しかし、諦めなければなんとかなるということは言えると思います。
連絡先を手に入れた後も、教授に推薦状を書いてもらえるかはずっと不安でした。
ゼミで学んだ後全く連絡を取らない不義理な学生のために時間を割いてくれるかは未知数です。
それでも、ダメ元でトライしてみるしかありませんでした。
勇気を出して連絡して本当によかったです。
推薦状を執筆していただいたおかげで、海外留学という夢を叶えることができました。
複数の大学に合格したところを見ると、推薦状の内容は少なくともネガティブなものではなかったのだろうと信じています。
指導教官の推薦状
ちなみに司法修習の指導教官の話をしておくと、教官の連絡先は修習時代に教えてもらったものを使用しました。
大体の指導教官は、修習生とのやり取りのためにメールアドレスを教えてくれるはずです。
その時の連絡先は忘れずに控えておくようにしましょう。
後々役立ちます。
道は開ける
Personal Statementや推薦状といった書類作りはいろいろ苦労することがあると思います。
投げ出したくなる時もあるかもしれません。
でも、諦めなければきっと道は開けます。
この記事を読んで下さった方の留学準備がうまくいくことを願っています。
ちなみに留学中は英語で色々苦労しています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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プロフィール
Ryo
こんにちは、Ryoといいます。 このブログは留学記です。 このブログのテーマは、『日本にいたらできないようなチャレンジをする』こと。 留学で経験したこと、考えたこと、感じたことをレポートします。 このブログの目的は3つあります。 人脈を増やすこと 学んだことをアウトプットすること ブログを継続すること このブログが少しでも皆様の役に立ってくれたら幸いです。